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均衡型相互転座保因者のリスク判定法
 少なくとも現在出版されている日本語の臨床遺伝学の書籍には父親が保因者なら5%、母親が保因者なら10%程度としか書いてありません。
 最も正確な判定法として、配偶子の異常率をFISH法で調べることです。実際に精子では行うことも増えつつあるようですが、ICSIによる受精卵の異常率はある程度、反映されると思われるものの、実際に生まれる新生児の異常率とは、かなり異なるものとなります。結局、経験的リスクを用いるしかないと考えます。もちろん切断点ごとの経験的リスクのデータがあるのかを、疑問に思われる方も多いと思いますが、1100以上の家系を調査したStengelとSteneらの報告があります。これを利用して、統計学的にリスク判定を行う方法が多く用いられています。また、Webサイトでリスク判定を行うHC Forumも有名ですがアカウントを取得する必要があります。また高すぎるリスクを表示することが多いように感じられるため、その利用にあたっては、注意が必要と考えています。

 今回、我々は日本語で具体例をあげてSteneらのリスク判定法を解説しましたので、御利用いただきたいと存じます。間違っている箇所などを見つけられましたら、ご一報いただけると幸いです。また詳細な家系図と妊娠分娩歴、核型をお送りいただければ、私どもで、リスク判定を行わせていただきます。これは、正確なリスク判定法を検討する目的にデータを収集する意味を含んでいますので、個人が同定されない範囲で、学会発表や論文にさせていただくことがあることを、ご本人や家族の方にあらかじめ、承諾をとっていただくようにお願いいたします。

注:梶井先生のつくられたサイト「染色体異常をみつけたら」に同様な解説がありますが、SSIの解釈が間違ってると思われます。
我々の解釈と問題と考えている内容(ここをクリック)
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